老天津と新らしい天津
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- 第8話 - |
租界の出現は 天津に奇妙な発展をもたらした。
天津の各租界はそれぞれに小さな政府があり その全てが治外法権の権力を行使していた。
租界の中では その地を借りている国の法律が施行され 中国政府はその租界地に入って人を捕まえると言うことはできなかった。
ある人が法を犯して 租界に逃げ込めば 中国政府は租界政府に対し引渡しを要求できるだけで 租界政府が同意しなければ 中国政府としては何もできず ただ犯罪者が自由にしているのを見ていることしかできなかった。
しかし 租界の中では 外国の『巡捕』(注1)は中国人を捕まえることができたのだった。 租界にはいろいろな税金があり、租界に住む中国人はまるで外国に住んでいるのと同じように 税金を納めなければならなかった。
行政機構のほか 各租界の中には各国の『兵営』があった。天津人は英国の『兵営』を『英国营盘』と呼んだ。 フランスにはフランスの『兵営』があった。このほかに日本租界には日本駐屯軍司令部、イタリア兵営、アメリカ兵営などであった。
天津は中国の一大都市であったにもかかわらず 多くの国の『兵営』が駐在していたのだった。
現在 | 旧 | |||||
紫竹林兵営 法国海軍・陸軍司令部 1915年建築 |
旧イタリア兵営 | イタリア兵営 |
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1816年頃の 海河楼(天津考工廠) |
戈登花園 | 零落 |